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パートナー

進展する SAP とのパートナーシップ

2018年6月27日
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Google Cloud Japan Team

* この記事は米国時間 6 月 6 日に Keyword に投稿されたものの抄訳です。

1 年前に SAP とのパートナーシップを発表して以来、私たち Google Cloud は、適用対象の大幅な拡大から共同開発プロジェクトのスピードアップまで多様な取り組みを行ってきました。Google Cloud と SAP のエンタープライズ アプリケーションのインテグレーションはその一環です。また、両社はパートナーシップのもとで共同イノベーション プロジェクトにも取り組んでいます。このプロジェクトは、お客様が大きなビジネス課題に対応できるよう支援することを目的としています。

ファッション小売業の Tory Burch は、Google Cloud と SAP のパートナーシップがもたらす成果に期待を寄せています。

「当社の IT チームは、好調なオンライン ビジネスと世界 150 か所の実店舗をサポートするため、業界をリードするパートナーと密接に協力して技術ニーズへの対応を図っています」と、Tory Burch のインフラストラクチャおよびシェアード サービス担当バイス プレジデントを務める Serge Minassian 氏は述べています。「私たちのグローバル アプリケーションとシステム インフラストラクチャについて SAP および Google Cloud と協力することで、私たちはエキサイティングな新しい方法で顧客対応を行えており、Google Cloud の機械学習製品によってデータから知見を収集できています。」

Google Cloud の SAP とのパートナーシップは、 2017 年の Data Custodian モデルの導入を皮切りにスタートしました。Data Custodian モデルは、お客様が Google Cloud Platform(GCP)に保存したデータの扱われ方を可視化し、コントロールできるようにします。SAP Data Custodian はすでに正式版が提供されており、Google Cloud Access Transparency などの機能を使用して、お客様のデータがクラウドのどこに保存されるのか、いつ、どこで移動、処理、アクセスが行われるかに関する知見を提供します。

Data Custodian は、Google Cloud と SAP が取り組んできたコラボレーションの最初の成果です。

先ごろ開催された SAP SAPPHIRE で、Google Cloud は機械学習がどのように次世代のアプリケーションやインフラストラクチャを実現するかを紹介しました。たとえば、SAP と共同で取り組んでいる小売業者向けソリューションの場合は、Google Cloud の機械学習を利用して SAP の Product Information Network ソリューション内の画像を検索し、サプライヤーから商品をより迅速かつ簡単に調達できるようにします。

商品/品揃え計画も、Google Cloud と SAP がコラボレーションを行っている分野です。SAP の既存の品揃え計画ソリューションを、商品カテゴリー別の検索動向や買い物動向の集計に基づく Google の知見で強化することで、統合された意思決定プラットフォームとして構築する方法を探っています。Google Merchant Center で提供される Google Shopping Product Suggestions レポートには人気の商品と参考価格が示されます。Google Cloud は SAPPHIRE でのデモにおいて、このデータを SAP の MAP ソリューションに直接取り込めることを披露しました。この取り組みについては、数か月以内に詳細な発表を行う予定です。

SAPPHIRE の会場では、こうした取り組みに加え、次のような重要なアップデートの紹介や発表も行いました。

大規模 SAP HANA インスタンスを含む SAP のマネージド サービス

Google Cloud Platform(GCP)で SAP のマネージド サービス機能を利用したいという要望が、これまで大規模企業のお客様から多数寄せられていました。こうしたお客様の多くは、ベアメタル ホスト上で大規模な SAP HANA インスタンスを実行しています。Google Cloud は戦略的パートナーと協力して SAP のマネージド サービスを開発することを SAPPHIRE で発表しました。このサービスには、市場で提供されているどの認定済み SAP HANA ハードウェアにも劣らない大規模 SAP HANA インスタンスが含まれます。

SAP HANA の実行環境として認定された 4 TB VM

多くの企業が、サプライチェーンの最適化や、リアルタイム在庫管理、製造ラインの円滑な稼働の確保といったクリティカル タスク用のインメモリ データベースとして SAP HANA を利用しています。大企業では大容量メモリを搭載した仮想マシン インスタンスが SAP HANA の要件となっており、Google Cloud はこの要件に合わせて VM サイズを急ピッチで拡大してきました。

そしてこのほど、4 TB VM が SAP HANA の実行環境として認定されました。こうした大規模インスタンスが低コストで即座に利用できるようになり、お客様は GCP の高い可用性とパフォーマンスに加えて、オンデマンドの柔軟性も享受できます。これは、コストを抑えながら長期的なロードマップをすぐに実験してテストし、計画できることを意味します。

4 TB VM は HANA OLTP および OLAP ワークロードの実行環境として認定されており、2 TB および 1 TB VM についても数か月以内に認定済みとして提供が開始される予定です。GCP 上の SAP HANA エコシステムの技術的な詳細については GCP ブログの記事をご覧ください。また、今年 7 月に開催される Google Cloud Next での発表にもぜひご注目ください。

GCP で SAP Cloud Platform の正式提供開始

SAP Cloud Platform は、企業開発者がクラウドで新しいアプリケーションを作成し、コア SAP アプリケーションのデータやビジネス サービスを同アプリケーションに統合できるよう支援します。SAP Cloud Platform はすでに GCP で正式提供(GA)が開始されております。当初はいくつかの GCP リージョンでのみの提供ですが、お客様のフィードバックに応じて、利用可能なリージョンが追加されることになっています。また、このリリースでは SAP Cloud Platform SAP HANA サービスの提供も開始されました。このサービスは、SAP Cloud Platform でデプロイされる開発者向けのマネージド DBaaS(Database as a Service)です。

Android SDK for SAP Cloud Platform への早期アクセス

GCP で SAP Cloud Platform を提供開始することでモバイル開発者に新たな機会を提供します。Android SDK for SAP Cloud Platform を利用し、Android 開発者は、Android Studio から直接  SAP Cloud Platform の新しいツールセットを利用したアプリケーションを開発できます。

Android SDK for SAP Cloud Platform を開発するため、私たちは SAP と密接に協力し、SAP のデザイン パターンを Material Design に整合させ、Fiori Design Language for Android によって Android のユーザーにとって使いやすい、エンタープライズ向けの Android アプリ を開発できるようにしました。また、新たなアプローチでモバイルアプリ開発を簡単に始めることができるように、SAP SDK Wizard と呼ばれる Android Studio プラグインが、SAP Fiori for Android に基づくリファレンス UI を、Android アプリとお客様のシステムとの接続に必要な仕組みとともに提供します。詳細は Android Enterprise に関するこちらの記事をご覧ください。

G Suite との新たな連携 : SAP から Google スプレッドシートへのエクスポート

Google スプレッドシートを使用する組織の多くが、リアルタイム コラボレーションを行ったり、自然言語クエリのようなツールを利用してデータから知見を迅速に引き出したりしています。SAP の次のリリースでは、SAP GUI(ECC 6.0 で使用)からデータを直接 Google スプレッドシートにエクスポートすることで、ERP コンテンツからさらなる知見を発見できるようになります。これにより、データを手動で CSV にエクスポートして Google ドライブにアップロードする必要はなくなります。

80 の Cloud Appliance Library ソリューションが利用可能に

SAP Cloud Appliance Library は、SAP ビジネス ソリューションのライブラリを通じて、プロジェクトの迅速な立ち上げを支援します。私たちは SAP と協力して、あらかじめ構成された SAP アプリケーションをお客様やパートナーが GCP で迅速に起動できるように、このライブラリに 80 以上のソリューションを追加しました。

Google Cloud Next もお楽しみに!

SAP アプリケーションと GCP のインテグレーションなどに関するより詳細な知識とベスト プラクティスについては、Google Cloud Next でシェアする予定です。取り上げるトピックの概要は以下のとおりです。

  • Integrating SAP HANA with Google Cloud Platform』- SAP HANA を GCP にデプロイし、GCP サービスとの統合ソリューションを構築するのに役立つハンズオン ラボを紹介します。
  • Best Practices for SAP Deployments in GCP』- GCP に SAP ソリューションを実装するためのリファレンス アーキテクチャを確認し、ベスト プラクティスをシェアします。
  • Lift and Modernize your SAP ECC to SAP Business Suite on HANA and Google Cloud』- SAP ECC アプリケーションをクラウドに移行することで、同時にデータベースをモダナイズし、SAP HANA DB に切り替えることができます。このセッションでは、データベースの規模の大きさ、データのリッチさ、アクセス頻度に関係なく使用できるシンプルなアプローチを説明します。
  • Digitize and Automate Vendor Invoice Management by Harnessing Google Machine Learning』- 請求書を手動で処理しようとすると、時間がかかりエラーも発生しやすくなります。SAP と Google の機械学習技術を使用すれば、自動化された請求処理を SAP システム ランドスケープに実装できます。

Google Cloud と SAP のパートナーシップに関する詳しい情報はこちらでご覧になれます。

- Post by Pramod Mahadevan, Head, Global SAP Alliance

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