みなさん、こんにちは!
新しく始まるこのコーナーの第一回目のテーマは「クラウド サービス」です。クラウドと聞いて、インターネットを介したサービスであることは、もう既にみなさんご存知だと思います。ただ、なんとなくはわかっていても、「クラウドって何?」と聞かれると、意外に説明できない…なんてことはないでしょうか。
本日はおさらいも兼ねて、クラウド サービス全般についてご説明しましょう。クラウドの概要を知ることで、クラウドの利点をより理解いただけるとうれしいです。
● “クラウド” の言葉の源泉は、エリック シュミット
クラウド (Cloud) の英単語は「雲」を意味しますが、実はこの “クラウド” という言葉と、コンピューティングサービスを結びつけたのは、Google 会長のエリック シュミットでした。
それは、「自分のコンピュータをハードで持つという概念から、ネットワークをコンピュータにして自分で好きにデータや情報を引き出す」というクラウドコンピューティングの概念で、これこそが “クラウド” の源泉になっています。(なお、わたくしの髪型も、この言葉にちなんでセットアップいただいてます)
● オンプレミスとクラウド 所有から利用へ
クラウドはネットワーク経由でデータやソフトウェア等のサービスを利用できるため、ユーザー側がアクセスできる端末があれば、パソコン、タブレット、モバイルなど、どんな端末からでも、さまざまなサービスを利用することができます。これまで、ユーザーはコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを、自身で保有・管理し利用していました。これが、オンプレミスです。この両者の違いから、オンプレミス型を “所有”、クラウド型を “利用” とも表現されますね。
このクラウド型で提供されるサービスは実に多様です。例えば Google Cloud では、Google Cloud Platform や Google Maps, G Suite など、多岐にわたるクラウド サービスを提供しています。クラウド サービスを説明する際によく言われるのが、SaaS, PaaS, IaaS の代表的な大別ですが、みなさんは、この 3 つの意味をご存知でしょうか?
Google Cloud を構成するプロダクト
● SaaS, PaaS, IaaS さまざまなクラウドサービス
SaaS, PaaS, IaaS、まずは言葉の意味をおさらいしましょう!
SaaS(サース:Software as a Service)
インターネット経由で稼働するアプリケーション(ソフトウェア)機能の提供を行うサービスです。グループウェア
G Suite で提供する Gmail や Google カレンダーなどのツールや、ビッグデータ解析ツール・
Google BigQuery などが SaaS です。
PaaS(パース:Platform as a Service)
インターネット経由で稼働する、仮想化されたアプリケーションサーバやデータベースなど、アプリケーション実行用のプラットフォーム機能を提供するサービスです。Google Cloud Platform では、
Google App Engine が代表的なPaaSにあたります。
IaaS(アイアース、イアース:Infrastructure as a Service)
インターネット経由で稼働する、デスクトップ仮想化や共有ディスクなど、ハードウェアやインフラ機能の提供を行うサービスです。Google Cloud Platform のプロダクトでは、
Google Compute Engine に代表されます。
SaaS のアプリケーションの充実化により、
API (Application Programing Interface) も多くなってきました。これは、既にあるアプリケーションの機能を利用するサービスで、Google マップのさまざまな機能を利用できる
Google Maps API、話題の機械学習サービス
Google Cloud Vision API 等、Google でもたくさんの API を提供しています。
慣れない言葉があると難しく聞こえるかもしれませんが、インフラを提供する IaaS, アプリケーションを稼働させる基盤を提供する PaaS, アプリケーションを提供する SaaS、と考えると構成がわかりやすいですね。
クラウドサービスは、この 3 つに限らず、もっと多様なサービスを構成しています。サービスを提供する事業者にとっても、それを使用するエンドユーザーにとっても、信頼して使用できるためには、どんな技術が用いられているか、サーバーがどんな環境に置かれているかなどが大きく関わってきます。
● クラウドサービスを安心して利用するために
クラウドのメリットは何でしょうか?
ユーザー視点でみると、パソコンにソフトをインストールしたりすることなく、ウェブブラウザがあれば簡単に利用できるという利便性が挙げられるでしょう。また、導入視点でみると、社内に専用のサーバーを導入して環境を構築するより、クラウドの方が低コストでスピーディに行える、というったコスト面が挙げられると思います。
また、クラウドを選択する大きな理由として挙げられるのがセキュリティです。近年はクラウドサービスのセキュリティ技術も格段に向上しているので、特別な対策をとらずに使用することができるようになりました。
セキュリティリスクは、エンドユーザーの視点で考えると、端末紛失時の情報漏えいなどが最も身近でしょうか。ですが、通信中のやりとりや保管場所も、安全性が担保されてこそセキュリティが確保され、クラウド サービスのベネフィットが発揮されるのです。
クラウドサービスのセキュリティにおいて重要なポイントを、サーバー(情報の保管場所)、通信経路(インターネット上での情報やり取り)、端末(情報への接点)の 3 つにまとめるとわかりやすいですね。
情報の保管場所、通信経路、端末、この 3 か所におけるセキュリティ対策とは何か。これについては、このコーナーでも今後、それぞれご紹介してまいります。次回は「情報の保管場所」についてご説明します!
ぜひ、お楽しみに。