Japan 公式ブログ
Google の企業向けソリューションに関する公式な情報やユーザーの事例などを、いち早く皆さんにお届けします。
株式会社リクルートライフスタイルの導入事例:GCP ならではのフルマネージドサービス群で膨大なデータ処理と、将来の拡張性を両立
2018年1月30日火曜日
株式会社リクルートライフスタイルが 2013 年 11 月にリリースした、iOS 向けの無償アプリ「Airレジ」は、タブレットを高価な POS レジの代わりに使えるようにしてくれるという、中小の飲食店にとって夢のようなアプリです。安価なだけでなく、高性能なこともあって、わずか 3 年半で約 30 万アカウントものユーザーを獲得するに至っています。そんな同社が、今年、さらなる飛躍を目指した新たな取り組みを発表。「Google Cloud Platform がなければ実現できなかった」という、その新プロダクトの開発ストーリーをご紹介します。
■ 利用している Google Cloud Platform サービス
BigQuery
、
Cloud Dataflow
、
Google Cloud Storage
、
Google App Engine
など
■
株式会社リクルートライフスタイル
リクルートグループ傘下企業として、旅行領域、飲食領域、美容領域、ヘルスケア領域、通販・割引チケット共同購入サービス、その他日常消費領域に関わるカスタマーの行動支援およびクライアントの業務支援・決済サービスを提供。Air事業ユニットでは「Airレジ」のほか、電子決済サービス「Airペイ」なども開発・運用している。
飲食業界に最新のデジタル経営技術を持ち込みたかった
「Airレジを中心とした、Airシリーズ製品群は、『商うを、自由に。』というビジョンのもと、中小店舗経営者の皆さんの負担を減らし、自分らしいお店づくりの実現をお手伝いすることを目的に開発・提供してきました。今回、新たなプロダクトとして提供させていただく『Airメイト』は、それをさらに次のフェーズに進める取り組みなんです。」
と語ってくださったのは、Airレジの生みの親の 1 人にして、Airシリーズの事業を率いる、株式会社リクルートライフスタイル ネットビジネス本部 Air事業ユニット ユニット長の山口 順通さん。Airレジは、企画当初から「レジ」を安価に提供するのが最終目的ではなく、“その先” を見据えたプロジェクトだったのだそうです。
そして、その開発の中心人物が、同社に入社したばかりという甲斐 駿介さん。大学在学中、19 歳の時に友人と一緒に飲食店の経営を始め、並行して Google でのインターンも経験していたという若きエンジニアです。
「飲食店の経営と Google でのインターンシップを同時に体験して思い知ったのが、経営に関する両社の余りに大きなギャップです。Google の誇る、世界最高レベルの経営ノウハウとテクノロジーをごくごくわずかでも飲食業界に持ち込むことができれば、業界全体の生産性が劇的に向上するという確信を持ちました。」(甲斐さん)
卒業後、一昨年 10 月末にリクルートライフスタイルに入社した甲斐さんは、その “確信” を、リクルートがさまざまな業界に対して蓄えている知見・ノウハウ、そして Airレジが蓄積した膨大なデータを活用することで、現実のものにしようと動き始めます。そして、いくつかの実験を経て、2017 年 9 月に『Airメイト』の β 版が完成しました。
「『Airメイト』では、タブレット(iOS 対応端末)の画面上に店舗の状況が一目で分かるマトリクスや、売上、利益、客数、客単価、FL 比率⦅ F=food(原価、材料費)、L=Labor(人件費)の合計を売上高で割ったもの⦆という飲食店経営において最も重要とされる 5 つの情報を手軽に確認できるようにしています。これらの数値は Airレジの会計情報や、リクルートの保有するエリア情報などを集計することで算出。今までの飲食店ではこうした情報を年に 3 回も出せれば良い方だったのですが、Airレジを導入することで、毎日、自動的に最新の情報を確認できます。また、もう一つ革命的なのが、AI を駆使した目標達成率の予測機能を搭載していること。月の半ばくらいで、月末の状況が予測できるようになるので、早い段階で手を打てるようになります。」(甲斐さん)
メニューごとの注文率などの分析も BigQuery で自動集計
集客分析は Dataflow を活用しスケーラブルに実現
そして、ここで最も大切なのが、こうした情報をオーナー、エリアマネージャー、店長、そしてリクルートの営業が、全く同じように確認できること。タブレットの画面上に表示された情報を共有し、それを前提として、勘だよりではない、数字に基づいた現実的な施策(メニュー開発や、接客の改善、広告展開など)を話し合えるのです。これによって、飲食店経営の常識が根本的に変わるのだと甲斐さんは胸を張ります。『Airメイト』とは、旧態依然とした経営プロセスの上で動く「ツール」なのではなく、飲食業界に、最新世代のデジタル経営の基盤を持ち込むことで実現する新たな「仕組み」なのです。
「個人的に予想外だったのが、20 代前半の若い店長が『Airメイト』をゲーム感覚で抵抗なく使うことができる、と楽しみながら優れた経営感覚を身につけ始めたこと。これまで若手スタッフに不足しがちだった経営者意識を持たせる効果もあるようですね。」(甲斐さん)
やりたいことと GCP が得意とすることが見事にマッチ
なお、『Airメイト』では、取り扱うデータが膨大な量になることから、早い段階で Google Cloud Platform(GCP) の採用が決定していたそうです。その理由について、甲斐さんは「大きなデータの取り扱いについては、Google に一日の長がありますからね。また、弊社のエンジニアには新しい仕組みを作るのは好きだけど、それを地道に運用していくのは面倒だという者が多いので、そういう意味でもマネージドサービスの充実している GCP との相性は抜群でした(笑)。」と笑いながら説明してくれました。
なお、BigQuery や、Cloud Dataflow などのマネージドサービスを多用した背景には、将来的な事業拡大を意識したという側面もあるそうです。
Airメイト システムアーキテクチャ
「こうしたデータプロダクトは、基本的に見られる情報が決まりきっているので、あらかじめ裏でバッチを回してデータを準備しておくのがセオリー。今回は、それをフルマネージドの環境で構築することで、後々クライアントが 20 万件になっても、100 万件になっても耐えられるようにしています。また、もう 1 つ意識したのが、このサービス基盤をポータビリティのある形で作りあげること。今後は、旅行だったり、美容だったり、さまざまな業界に拡げていくことも考えています。そして、そのために誰でも簡単にデータプロダクトが作れる設計を心がけました。一般的にデータプロダクトを作るにはビッグデータ基盤と、それを移動するための ETL ツールや移動を管理するためのワークフローエンジンが必要になります。しかし、これらをエンジニアが自社事業にとって価値の高いビジネスロジックの開発にフォーカスできるように、開発・運用するのは骨が折れます。それがフルマネージドでスケーラブル、またビッグデータ処理関連のツールが豊富な GCP を使うことで、ビジネスロジックやプロダクト開発に集中でき、たった 4 人のチームで 3 ヶ月で開発をすることができました。こんな事は Google でしかできませんね。」(甲斐さん)
なお、気になる一般への提供開始は、2018 年春から申込みを開始予定とのこと。良いものができた自信はあるそうなのですが、対応デバイスの拡大(現在は iOS 対応端末 のみ)や、管理部門の情報ツールとの連携機能の追加など、まだまだブラッシュアップする余地があるのだとか。また、今年夏頃から、より大きな実証実験を行い、本当にクライアントの利益アップに貢献できるのかなどといった、より実際的な検証も行っていく予定ということです。
また、基本機能の開発は一通り終わったものの、今後の機能追加にも意欲的。具体的には機能の検証のために Google Stackdriver を活用し、細かく取得した利用ログから意味のあるものだけを抽出して、そこから店長のタイプを機械学習を駆使して深く分析・レポートする内部向けの機能を検討中とのこと。「お客さまからの要望を対面でお伺いすることももちろん大事なのですが、こうしたデータ分析も大事。この両輪でさらなる機能強化をはかっていきたいですね」と甲斐さんは言います。
「その後の本サービスは有料での提供となる予定ですが、まずはより多くの店舗、企業に使っていただけることを一番に考えています。リクルートは全ての業界で不足している「人」「金」「不動産」全てを事業として持っています。『Airメイト』の使命は、各社の経営状況を可視化していくことで、そうした繋がりを強化していくこと。そこから、次の一千億ビジネスを生み出していきたいという想いもあるんですよ。」(甲斐さん)
株式会社リクルートライフスタイルの導入事例 PDF は
こちら
をご覧ください。
GCP のその他の導入事例は
こちら
をご覧ください。
G Suite セキュリティセンター: より深い分析とベストプラクティスを
2018年1月18日木曜日
*この記事は米国時間 1 月 17 日に
Keyword に投稿
されたものの抄訳です。
Google では、組織のデータ セキュリティをお客様自身で簡単に管理できるようにしたいと思っています。そのための鍵となるのが、セキュリティの状況がひと目でわかる “鳥瞰図” に組織の管理者や権限を持つユーザーがアクセスできることであり、さらにタイムリーな状況把握に基づいて行動を取るための方法を提供することです。
Google では、この度 G Suite にセキュリティ センターを導入しました。このツールは、組織やデータ、ユーザーの保護を強化するべく、Google によるセキュリティ分析、適切な行動につながる洞察、ベスト プラクティス推奨といった機能を統合しています。
セキュリティセンターの特徴は以下の通りです。
重要なセキュリティ指標のスナップショットを 1 か所で確認 :
デバイスの不審な挙動を把握したりや、組織内ユーザーを狙うスパムやマルウェアを可視化したり、セキュリティ対策の効果を示す指標の確認等を 1 つの包括的なダッシュボードで行えます。
潜在的な脅威に対して先手を打つ :
セキュリティ分析が脅威への対処をサポートします。たとえば、どのユーザーがフィッシングの標的になっているかを可視化できるため、事前に攻撃を食い止めることが可能です。また、Google ドライブのファイルが DLP(データ損失防止)ルールをトリガーしたときに、データ漏洩といった事態を未然に回避できます。
セキュリティ ヘルス ページの推奨事項を採用し、リスクを軽減する :
セキュリティ ヘルス
は、セキュリティの設定状態を分析し、ユーザーおよびデータのセキュリティ保護に役立つアドバイスをカスタマイズした形で提供します。その推奨事項は、データの格納方法やファイルの共有方法、モビリティや通信の設定など多岐にわたります。
使い始めるには
現在、350 万以上の企業や組織が G Suite を利用しています。
G Suite Enterprise
をお使いのお客様は、数日内に管理コンソール内から
セキュリティ センター
にアクセスできるようになります。
こちらの管理者向けガイド
には導入の手順が、また
こちら
にはセキュリティ設定に関する留意すべきベスト プラクティスがまとめられています。
G Suite を初めてお使いになる方は、コラボレーション、データ保存、安全なコミュニケーションに関する Google の取り組みをまとめた
こちらのドキュメント
もご覧ください。
Byline:
Reena Nadkarni, Head of Product Management, G Suite
Chad Tyler, Product Manager, Security Center
Cloud AutoML - すべてのビジネスに AI を
2018年1月18日木曜日
*この記事は米国時間 1 月 17 日に、Jia Li (Head of R&D, Cloud AI) および Fei-Fei Li (Chief Scientist, Cloud AI) によって
Keyword に投稿
されたものの抄訳です。
1 年少し前、私はフェイフェイ リーと共に Google Cloud に加わり、AI の民主化というミッションに着手しました。私たちの目標は、AI 導入の障壁を取りのぞき、開発者、研究者、企業といった多くの人々が AI を利用できるようにすることです。Google Cloud においては、昨年、
Google Cloud Machine Learning Engine
の提供を開始しました。これにより、機械学習の専門知識を持つ開発者であれば、あらゆる種類やサイズのデータに対応した機械学習モデルを簡単に作成できるようになりました。また、学習済みモデルに基づく
API
(Vision、Speech、Natural Language、Translation、Dialogflow など) のような機械学習製品が、ビジネスにスケールとスピードをもたらし、幅広く活用されています。データ サイエンティストおよび機械学習の研究者コミュニティである
Kaggle
は、100 万人以上のメンバーを持つまでに成長し、
Box
、
Rolls Royce Marine
、
キユーピー
、
Ocado
などを含む 10,000 を越す企業が、Google Cloud AI サービスを利用しています。
その一方で、現在、機械学習や AI の進歩を十分に理解して活用できる人材やリソースを持っている企業は、世界でもほんの一部に限られています。高度な機械学習モデルを開発できる人材に於いては、その数はさらに限られるでしょう。さらに、機械学習や AI エンジニアの力を活用できたとしても、独自の機械学習モデルを構築するには時間がかかり、複雑なプロセス管理が必要です。Google は、特定のタスクを実行するための
学習済みの機械学習モデル
を提供していますが、あらゆる人が AI を活用できるようにする、という目標のためには、さらなる努力が必要です。
本日、Google では Cloud AutoML を発表します。Cloud AutoML は、機械学習や AI のリソースが限られた環境でも、
learning2learn
や
転移学習
のような高度な技術を活用し、独自の高品質でカスタマイズされた機械学習モデルの構築を可能にします。十分な人材やリソースを持たない企業においてもパワフルな AI システムを構築でき、さらには、AI エキスパートの生産性を高めたり、AI 活用の幅を広げるツールとなることを期待しています。
この Cloud AutoML の第一弾として登場するのが
Cloud AutoML Vision
です。Cloud AutoML Vision は、より速く簡単に画像認識用の機械学習モデルを作成するサービスです。画像データのアップロードは、簡単なドラッグ&ドロップで行え、機械学習モデルのトレーニングの管理も可能です。トレーニング済みモデルは Google Cloud 上で直接デプロイすることができます。Google が調査した所では、
ImageNet
や
CIFAR
等が公開しているデータセットを用い、Cloud AutoML Vision で画像を分類させた所、一般的な ML APIs よりも少ない間違いで、より正確に分類することが出来ました。
Cloud AutoML Vision の特徴は以下の通りです。
精度の向上:
Cloud AutoML Visionは、
転移学習
や
ニューラルネットワークアーキテクチャ検索技術
を含む Google の画期的な画像認識手法を基にしています。十分なリソースを持たない企業等においても、より精度の高いモデルを構築することが可能です。
プロダクションレディなモデルを短期間で構築:
Cloud AutoML を利用することで、数分でシンプルなモデルを作成し、早ければ 1 日以内に AI 対応のアプリケーションをテストし、公開することも可能です。
使いやすさ:
AutoML Visionは、データの指定からモデルの作成まで、一貫してシンプルなユーザーインターフェイスを採用しました。
「
Urban Outfitters
は、顧客のショッピング体験を向上させる新しい方法を絶えず探しています。顧客に関連する製品を推奨し、正確な検索結果や有益な製品フィルタを提供するためには、総合的な製品属性の展開と維持が不可欠ですが、製品属性を手動で入力するのは困難で時間がかかります。そうした状況に対処するため、当社のチームではパターンやネックラインスタイルなどといった製品特性のニュアンスを認識し、製品の区分け工程を自動化できるよう、Cloud AutoML を利用しました。Cloud AutoML は、顧客により良い発見、提案、検索体験を提供するうえで大きな可能性を秘めています」
ー Alan Rosenwinkel 氏、データサイエンティスト、URBN
「Cloud AutoML の技術は、当社がディズニーのキャラクター、製品カテゴリ、色といった属性を製品毎に関連付け、整理するために用意したビジョンモデルの構築を支援しています。この関連付けされたデータは当社の検索エンジンに統合され、より関連性の高い検索結果、素早い発見、shopDisney での提案などに活用されており、よりよい顧客体験の提供につながっています」
ー Mike White 氏、CTO & SVP、Disney Consumer Products and Interactive Media
「ZSL (ロンドン動物学会) は、動物とその生息地の世界的な保護を行う国際的な慈善団体です。私たちの使命における重要な活動は、野生生物の個体数を追跡することです。人類が野生動物に与える影響をより深く理解するため、ZSL は熱や動きによって動物を撮影することができる機材を動物の生息域に設置しており、撮影データは、手作業で分析され、象、ライオン、キリンなどといった種ごとに分類分けされています。そうした工程には、大きな手間および予算がかかっています。ZSL の Conservation Technology Unit は Google の CloudML チームと協力し、タグ付けの自動化を目指しています。それによりコストを削減するだけでなく、活動の幅を広げ、世界の野生生物の効果的な保護に向けたより深い理解の醸成につなげています」
ー Sophie Maxwell 氏、Conservation Technology Lead、ロンドン動物学会
AutoML Vision にご興味のある方は、
こちらのフォーム
(英語のみ) からご連絡ください。
AutoML Vision は、 Google Brain や Google の AI 開発に関わる様々なチームとのコラボレーションで生まれました。AutoML Vision は、Cloud AutoML の最初の製品であり、今後も製品を追加していきます。「AI の民主化」を目指す取り組みはまだ緒に就いたばかりではありますが、10,000 を超える企業が Cloud AI 製品を活用して達成した数々の事例に接すると、更なる可能性を感じずにはいられません。Cloud AutoML が、より多くの企業にとって、AI 活用の先にある未来を探るための手助けとなることを期待しています。
Jia Li, Head of R&D, Cloud AI, and Fei-Fei Li, Chief Scientist, Cloud AI
新リージョンと海底ケーブルの増設でグローバル インフラストラクチャを拡張
2018年1月17日水曜日
*この投稿は米国時間 1 月 16 日に
Keyword に投稿されたもの
の一部を抄訳したものです。投稿全文の翻訳については、後日
GCP Japan Blog
に掲載します。
Google はこの 3 年間で、自社のインフラ強化のために 300 億ドルを投資しました。もちろん、この投資に終わりはなく、世界各地をつなぎ、クラウドのお客様により良いサービスを提供するために、データセンターの新設や海底ケーブルの敷設などインフラストラクチャの拡張に引き続き力を注いでいます。今回発表する 3 本の新しい海底ケーブルと 5 か所の新リージョンは、その具体的な成果となるものです。
Google は 2018 年の第 1 四半期にオランダとカナダのモントリオールに新しいリージョンを開設し、その後もロサンゼルス、フィンランド、香港にリージョンを順次新設します。そして 2019 年には、チリとロサンゼルスを結ぶ専用線の Curie、米国とデンマークおよびアイルランドを結ぶ共用線の Havfrue、アジアの主要な海底通信ハブを結ぶ HK-G (Hong Kong-Guam Cable system) の 3 本の海底ケーブルについて運用を開始します。
これらの投資により、今でも世界最大級を誇る Google ネットワークを、今後さらに強化していきます。ある調査によれば、全世界のインターネット トラフィックの 25 % を Google が担うという試算も発表されています。
図 1. GCP の既存リージョンと新設予定リージョン
図 2. ロサンゼルスとチリ、米国とデンマーク / アイルランド、アジアの主要地域間のトラフィックを強化する 3 本の海底ケーブル
こうした投資の成果に Google は大きな期待を寄せており、ますます結びつきを強めていく世界の中で、お客様に最高のクラウド サービスを提供するべく、インフラストラクチャへの取り組みを強化していく所存です。
- By Ben Treynor, 24x7 VP, Google Cloud
Peach Aviation株式会社も Google へ - 容量無制限、強力な検索機能、便利な各種ツール群など G Suite への完全移行でスタッフの “働き方” が変わった
2018年1月10日水曜日
創業以来、約 5 年間運用してきたオンプレミスのプライベートクラウドを、2016 年春から G Suite に切り替えた Peach Aviation株式会社。問題続きだったという従来システムから、いかにして G Suite への移行を果たし、そしてそれが今、どのような “働き方” 改革を起こしているのか、同社「イノベーション統括部」に訊ねた。
■ 写真左から
人事・イノベーション統括本部 イノベーション統括部
サイバーセキュリティタスクフォースマネージャー 辻井 良彦 氏
人事・イノベーション統括本部 イノベーション統括部
システムストラテジスト 坂本 崇 氏
人事・イノベーション統括本部 イノベーション統括部 部長 前野 純 氏
■
Peach Aviation株式会社
「365 日、いつでも低価格な旅を提供すること」を目標に掲げる国内発 LCC。ブランド名は「Peach」。従業員数は 1001 名(派遣社員・出向者を除く、2017 年 12 月時点)
G Suite の導入でイノベーションを推進する
2011 年 2 月に創業し、関西国際空港を拠点に、国内・アジア地域に幅広く就航する Peach。「イノベーション統括部」と名付けられた同社 IT 部門は、その名称に象徴されるよう、テクノロジーの活用によって、業務にアクティブな刺激を与えることも大きな目的の 1 つとしている。しかし、創業当初の同社業務システムには大きな問題があったと、イノベーション統括部 システムストラテジスト 坂本 崇氏は当時をふり返る。
「プライベートクラウドを使った業務システムを立ち上げたのですが、事業規模の急拡大や人員増に対して仕様が全く追いつかず……全社員に向けて、容量の大きなメールの削除を依頼したり、サイズの大きなデータについてローカルで保存してもらうなどといった通達をせねばならなくなっていました。せっかくクラウドを導入したのに、その美点を全く推進できていなかったのです。また、毎月アップデートされるシステムのメンテナンスのために、この 5 年間、定期的に生産性のあまりない残業をせねばならなかったのが辛かったですね(笑)」
そこで、2015 年末、いよいよ同社はパブリッククラウドサービスへの移行を決意し、さまざまな選択肢の中から G Suite を選択する。
「決め手はやはり容量が無制限であること。今度こそ、全てのデータをクラウド上に置くようにしたかったので、何よりこの点を重視しました。また、機能ごとにサーバーを立て、用途に合わせてモジュールを導入していかねばならない他社サービスと比べ、その名の通り全部入りな、G Suite のコンセプトにも惹かれました。」(坂本氏)
セキュリティ改善も G Suite に求めていたことの一つ
さらにもう 1 つ、Peach が G Suite に期待していたのが強力なセキュリティ。これまでのプライベートクラウド環境では、年々、悪質化・高度化していくサイバー攻撃への完全な対策が難しくなっていくことは自明の理だった。
「G Suite では、600 人ものセキュリティ専門家が、24 時間 365 日、目を光らせてくれているのが実に心強い。各ユーザーの利用状況を監視・記録してくれる Google Vault を導入したことで、何かあった際の対応も迅速に行えるようになりました。」(坂本氏)
なお、その運用に際しては、100 近く存在するチームドライブの権限管理を部門ごとに徹底。アクセス可能なドメインを限定することなど、2 重、3 重の工夫で情報漏洩を防いでいる。
AppBridge を駆使して既存システムからデータをそのまま移植
そして 2016 年春、いよいよ既存システムから G Suite への移行作業がスタートする。この際、高いハードルとなっていたのが、既存データをどのように移行するか。当時、国内には既存システムから G Suite への移行ソリューションが存在しなかったため、相談した全てのベンダーから移行の断念を勧められてしまったのだとか。しかし、同社には大量のマニュアルや契約書などが存在するため、それはできない相談だったと、今回のプロジェクトを統括する立場だった同社イノベーション統括部 部長 前野 純氏は言う。
「どうしても諦めきれず、解決方法を模索した結果、AppBridge(Google が買収)というツールを使えば、それが可能であることが分かりました。当時はまだ日本語環境での実績がないということだったのですが、今回、あえてこれを導入。約 100 人の先行導入チームから段階的に導入を開始し、メール移行に約半年、ファイル移行に約 1 年かけて、800 アカウント、165 万オブジェクト、総計約 3.4 TB ものデータ移植を完了することができました。なお、作業が終わるタイミングでチームドライブが発表されたことから、適切な権限設定を行うために、チームドライブ用に移行をしなおしています。そこで時間をロスしてしまいましたが、それがなければ、約半年で作業が完了していたはずです。」
完全移行完了から約半年が経過した現在、同社スタッフからの G Suite への評判は上々とのこと。
「移行が完了してすぐ、何人もの社員が私のところに G Suite を絶賛しにやってきました。特に検索機能が強力かつ、高速だったことが好評でしたね。容量無制限であることについては、皆、にわかには信じられなかったようで、『本当に全部上げちゃって大丈夫なの?』なんて問い合わせが何度もあったくらいです(笑)。」(坂本氏)
結果、同社スタッフの “働き方” は革命的に変化。部内でのファイル共有に関しても、強力な検索機能や、「クイック アクセス」機能などによって、まずファイルを探すのに苦労するという手間から解放された。複数名で同時にファイルを編集できる共同編集機能では、これまで行なっていた一人での編集作業と比べて、速度はもちろん品質も大幅に向上、ハングアウトのようなコミュニケーションツールも、世界中にスタッフが点在する同社の業務では重宝されていると言う。
「また、IT 部門サイドからしてみても、運用費が約 40% 削減できたことや、フルマネージドサービスならではの管理効率向上が大きなメリットとして挙げられます。サーバーのメンテナンスに時間を取られることが無くなったのは本当にうれしいこと。結果として残業時間が以前の 3 分の 1 程度になりました。」(前野氏)
移行が完了した現在の目標は、先日リリースされた新機能「ドライブ ファイル ストリーム」を導入し、100% 完全に、PC からローカルファイルを排除することだそうだ。
Google Cloud Platform を駆使した業務効率改善にも着手
ここまでで紹介した G Suite の事例に加え、Peach では、Google Cloud Platform も 2015 年末より活用中。BigQuery を利用することで、それまで散在していた、運航状況や予約状況、機内販売実績などといったデータを集約し、掛け合わせて分析できるようになったと言う。
「安い、速い、簡単なのが、BigQuery の良いところ。特に “簡単” というのがポイントで、Google Data Studio などの BI ツールを経由して、エンジニアではない営業担当でも簡単に欲しいデータを引っ張ってこられるというのが素晴らしいですね。」( 辻井氏)
現在は、そのほか、機械学習を使った自動音声対応システムを実証実験中。社外からかかってきた外線電話を、音声認識で当該スタッフの携帯電話に接続するといった取り組みも行っている。
Peach Aviation株式会社の導入事例 PDF は
こちら
をご覧ください。
G Suite のその他の導入事例は
こちら
をご覧ください。
GCP、G Suite、Chrome をお使いのお客様へ ―― CPU 脆弱性への Google Cloud の対応について
2018年1月9日火曜日
* この投稿は、米国時間 1 月 3 日に
Keyword に投稿されたもの
の抄訳です。
Google のセキュリティ チームである Project Zero は昨年、多くのマイクロプロセッサに影響する脆弱性を
発見しました
。以来、Google のエンジニアリング チームは、Google Cloud Platform(GCP)、G Suite アプリケーション、Google Chrome、Chrome OS など Google プロダクト全体にわたって、この脆弱性からお客様を保護する取り組みを行ってきました。また、業界のハードウェアおよびソフトウェア メーカーと幅広く協力し、各社のユーザーやウェブの広範な保護に努めています。
G Suite アプリケーションはすべて、既知の攻撃ベクトルをすべてブロックするようアップデートされています。G Suite をお使いのお客様やユーザーは、対策を取らずとも CPU 脆弱性から保護されますのでご安心ください。
GCP についても、既知のすべての脆弱性の影響を受けないようアップデート済みです。Google Cloud は、お客様のために運用を継続しながら環境を更新できるアーキテクチャとなっています。VM ライブ マイグレーション技術により、私たちはユーザーに影響を与えることなく、さらにはメンテナンス時間を設けたり再起動したりすることもなくアップデートを行いました。
なお、GCP サービスで独自の OS をお使いのお客様は、追加のアップデートを適用する必要があるかもしれません。詳細は、この脆弱性に関する
Google Security ブログの記事
の “Google Cloud Platform” セクションをご覧ください。入手可能なアップデートについては、
Compute Engine ドキュメントのセキュリティ情報ページ
でその最新状況をご確認いただくことができます。
Chrome ブラウザをお使いのお客様は(G Suite や GCP にアクセスするためにお使いの場合も含めて)、Chrome OS を含む全デスクトップ プラットフォームにおいて、
Chrome ブラウザのセキュリティ強化機能
としてサイト分離を利用できます。サイト分離機能は、特定のウェブ サイトまたはすべてのウェブ サイトで
有効
にできます。
Google Security ブログ
では、Google プロダクト全体を対象に、今回の脆弱性の影響とその緩和策に関する詳しい情報を提供しています。
- By Ben Treynor Sloss, VP, 24x7
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