2009 年 4 月 20 日
Posted by 泉 篤彦 ( エンタープライズ セールス エンジニア )

先日、Apps にとって非常にインパクトのあるツールを発表させていただきました。今回はその Google App Engine と Google Secure Data Connector ( 以下 SDC )をここでご紹介します。

App Engine はクラウド上に自身のアプリケーションを開発、運用を可能にする非常に強力なインフラです。既に全世界で多くの開発者の方が登録し、数万に及ぶアプリケーションを開発、運用しています。また、この度 SDC を投入することにより、Apps ドメインから企業内などのファイアウォール内のデータにも安全にアクセスするアプリケーションを開発することができるようになり、App Engineを利用したビジネス用途のアプリケーションを開発するプラットフォームとしても利用が期待されます。

Cron, JavaTM,そして GWT for App Engine
多くの開発者からのリクエストに応え、予め設定したスケジュールに従い自動的に処理を行うための Cron が App Engine でも利用可能になり、また既存データベース内にある数ギガにもおよぶ大量の情報を簡単にインポート、エクスポートする機能も追加されました。

今回 App Engine が Java をサポートすることも発表いたしました。これにより既に企業向けアプリケーション開発言語として普及している Java による開発、利用が加速すると考えます。先日行われた Campfire One でも IBMの Websphere上で数行コードを変更することによりアプリケーションの移行するデモが公開されました。

さらに App Engine と Google Web Toolkit(GWT) そして Eclipse IDE を統合することにより、Java での開発をシングルプラットフォームで行えることも可能にしました。業界標準統合開発環境である Eclipse 上で書いたコードを、デスクトップ上で確認した後、ボタンひとつで クラウド上の App Engine にアップロードするまでをシームレスに実行することができます。また、GWT によりひとつのコードを各ブラウザに対応した JavaScript に変換することにより、さらに開発効率を向上させることが可能となります。

ファイアウォール内のデータを暗号化して安全に通信
これまで、クラウドでのビジネスアプリケーションを開発する場合、ファイアウォール内にあるデータとどのように(安全に)やり取りするかという問題がありました。この問題を解決するため、Google Secure Data Connector(SDC) を提供することにより、ファイアウォール内に設定するエージェント経由で IT 管理者が安全に Google Apps と連携するアプリケーションを開発、運用することを可能にします。

先日のイベントでは Oracle により Oracle CRM ガジェットがエンタープライズアプリケーション内の営業、顧客情報とやり取りするデモを紹介しました。SDC により、このようなアプリケーションをガジェット化し、 Google Sites や Google ドキュメントなどで利用することが可能になり、社内アプリケーションもより活用範囲が広がると期待しています。

その他にも、SDC サポートを表明したいくつかの会社がこの Campfire One にてさまざまなデモを紹介しています。また、 それらを開発するツールなどにご興味がある方は code.google.com もご参照ください。