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Google の企業向けソリューションに関する公式な情報やユーザーの事例などを、いち早く皆さんにお届けします。
Googleにおける災害対策(ディザスタリカバリ)
2010年3月19日金曜日
2010 3月19日
Posted by 藤井彰人 / エンタープライズ プロダクト マーケティング マネージャー
災害対策は万全ですか?IT管理者にとってこれは大変頭の痛い問題です。通常は莫大なお金をかけ、複雑なシステムを構築し、あとは幸運を祈るしかありません。もっと良い方法があることをご存知でしょうか?
メールシステムを例に考えて見ましょう。企業がデータの保全するにはいくつかの方法があります。中小企業であれば、まずはデータのバックアップになります。メールサーバのデータをテープに毎日、または毎週定期的にコピーすることになります。障害が発生た時には、テープからデータを戻し、最新のバックアップデータに戻すことができます。ただし、最後に取得したバックアップデータ以降の最新のデータは永久に失われてしまいます。
ビジネスが大きくなればなるほど、企業は全てのストレージが一元管理するために、ストレージエリアネットワーク(SAN)を追加していくことになります。複数のSANを構築するには多額の費用がかかります。もし構築したとしても、データセンターがダウンしてしまった場合には、どうしようもありません。このため、大企業は、どこかに別の所に、新しいデータセンターを作らなければならなくなってしまいます。同じメールサーバのセット、SANを設置し、運用保守のためのスタッフも新たに必要となります。
ありえないことかもしれませんが、もし災害が2つのデータセンターを同時に襲ったらどうなるでしょう。さすがにお手上げです(
このお客様の火災経験をごらんください。
)。大企業は、離れた場所に、つまり同じ危険区域でない場所に、通常は第2のデータセンターを建設します。ただ、この対処方法は、新たな問題を引き起こします。データを同期するために、プライマリのSANは、セカンダリバックアップのSANとデータ交換を行わなければなりません。同期のためのバックアップのオプションは様々ですが、これでは話が最初の話に戻ってしまいます。冗長性の拡張は、コストと複雑さを倍増させます。
Google Appsのお客様は、Google Appsを利用して作成したデータに対し、このようなことを心配する必要はありません。規模によらず、最高レベルの災害対策が行われているデータセンターを利用できるためです。これは実際にロサンゼルス市が
Googleすることを決定
した理由のひとつでもあります。。
災害対策のレベルはどうやって知ればいいのでしょうか。通常は2つの方法で評価されます。RPO (
Recovery Point Objective
) と RTO (
Recovery Time Objective
)です。RPOは、災害発生時にどれだけのデータが失われる可能性があるかを示し、RTOは、災害発生後のサービス復旧時間を示します。
SANを運用する大企業では、RTOとRPOの目標値は、1時間かそれ以下です。もちろん、より多くのコストをかければその値をさらに低く抑えることができます。これは逆に、大企業は大金を投入しているにもかかわらず、災害発生後、サービス復旧に1時間程度の時間がかかり、1時間はメールにアクセスできないまま過ごさねばならないことを意味します。
SANを持たない企業は、文字通りデーセンター間でバックアップデータを含むテープをやりとせなければなりません。こんなケースでは、RPOやRTOの値は、数日間になってしまいます。中小企業では、多くの場合最初からやり直しという状態になるでしょう。
私たちのRPOデザインターゲットは、「0(ゼロ)」です。つまり、RTOデザインターゲットは、即時フェイルオーバーです。この災害対策は、同期型リプリケーションによって実現されています。つまりGmailでの全ての操作は、同時に2つのデータセンターに複製されています。そのため、仮に1つのデータセンターに障害が発生しても、即座にデータを他のデータセンターに転送し、その後の操作に対応します。
私たちの目標は、データセンター間のデータ転送時にデータを全く失わないようにすることです。そして、データセンターに障害が発生していたとしても、ユーザが気がつかないほどの素早さでデータを転送し対処することです。無論、私たちのバックアップなしのソリューションや、他のソリューションも完全無欠ではありませんが、私たちは誰にも負けないサービスを提供できるよう、非常に大きな投資を行っています。
これはGmailアカウントを保全するためだけのものではありません。Appsの主要アプリケーション、Googleカレンダー,Google ドキュメント, Google サイト、全てに対して、同レベルのデータリプリケーションが行われています。
いくつかの企業では、同様に同期型リプリケーションを採用していますが、私たちが示したものよりも高価なものです。25GBのデータを同期型リプリケーションでバックアップするためには、ストレージとメンテナンスのために、従業員一人当たりおおよそ150ドルから500ドルの費用がかかることでしょう。もちろん、この費用にはアプリケーションのコストは含まれていません。正確な金額は、データのリプリケーション回数や、サービスプロバイダーの選択などの多くの要素に依存してきます。
中小規模の企業では、複製したデータを積み上げていくことになり、先進的な企業では数種類のコピーを作成することでしょう。私たちも全てのデータを複数回にわたり複製はしていますが、ユーザに提供している従業員あたり25GBのGmailのバックアップは無料です。加えて、ストレージを必要とするGoogle ドキュメント, Google サイト、Googleビデオでは追加のディスクを購入することができます。他者も同様にクラウドコンピューティングを提供していますが、多くの場合は1箇所のデータセンター以上のバックアップは想定していないと思います。
このようなレベルのサービスを私たちが提供できていることには理由があります。まず第一に、私たちは数百万のユーザに対して、多くの巨大なデータセンターを同時に運用していることです。これにより弾力性と冗長性を確保しかつ、コストを下げることが可能になります。第二に、私たちは、障害が発生するまで利用されないデータセンターに無駄なお金やリソースを使うことはありません。必要に応じてデータセンター間の負荷分散を実現することでこれを実現しています。
また、私たちはデータセンター間の超高速接続を確保しているため、データを素早くサーバからサーバへと転送することができます。これにより巨大なデータを同時に複製することを可能にしています。
クラウドコンピューティングの一番大きな利点は、テクノロジーの民主化を推進するパワーです。
25Gのメールボックス
、
ビジネスでのビデオ利用
、同期型リプリケーション、他の先進的なサービス、これまで一部の大企業しか利用していなかったこれらの先進的なサービスを、Google Appsは、どのような規模の企業に対しても提供しています。加えて、アップグレードや、パッチの適用、ソフトウェアの保守などに頭を悩ませることなく、社内導入型システムにくらべて劇的に低いコストで提供しています。
最悪のケースを想定して準備をすることが好きな人はいません。Google Appsを使えば、みなさんの心配事がひとつ減ることになるでしょう。
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