写真フィルムメーカーから、広範な領域でビジネスを展開する企業グループに変貌中の富士フイルム。創立 80 周年を迎えた 2014 年 1 月、“Value from Innovation” という新たなコーポレートスローガンを制定。企業体質強化を推進している。その柱の一つ、“Work Style Innovation” を推進するキーファクターに導入直後のGoogle Apps for Work を位置づけた。そして社内イベント“Google Festa” を開催し、 “Work Style Innovation” の狼煙を上げた。
富士フイルムホールディング株式会社について
富士フイルムグループとして、イメージングソリューション(フォトイメージング、電子映像、光学デバイス)、インフォメーションソリューション(ヘルスケア、グラフィックシステム、フラットパネルディスプレイ材料、記録メディア、産業機材・電子材料)、ドキュメントソリューションの 3 領域を柱に事業を展開。
(写真右)富士フイルム株式会社 人事部次長 兼 富士フイルムホールディングス株式会社 人事部統括マネージャー 座間 康氏
(写真左)富士フイルム株式会社 経営企画本部 IT グループマネージャー 兼 富士フイルムホールディングス株式会社 経営企画部 IT 企画グループマネージャー 安東 豊氏
課題と効果
[ 課題 1 ]
コミュニケーションツールとして、グループ各社が Lotus Notes など複数製品をバラバラに利用
[ 効果 1 ]
グローバルで Google Apps for Workに統一し、大幅なコストダウンと最新機能を迅速に享受できる強固な情報共有基盤を入手
[ 課題 2 ]
イノベーション推進のために、働き方や意識の変革を促し、多様な価値観の人材が力を存分に発揮できるようにする必要性
[ 効果 2 ]
Google Apps for Work という IT ツールをキーファクターに従業員の働き方に対して目に見える形で変革を意識させる “Work Style Innovation” を企画
[ 課題 3 ]
富士フイルムグループ全体に “Work Style Innovation” を浸透させる
[ 効果 3 ]
気軽に楽しく参加できる “お祭り” 形式の体感イベント “Google Festa” の開催で、 Google Apps for Work の活用の浸透・定着と社内の意識変革を促進
[ 何が問題だったか? ]
働き方の改革が必要
デジタル化の進展により、写真フィルムメーカーからの変革を進め、事業領域の多様化に伴う組織再編を繰り返してきた富士フイルム。その結果、同社グループではコミュニケーションシステムとしてオンプレミスの Lotus Notes を中心に少なくとも 6 製品以上がバラバラに使われる状態だった。そんな時、Lotus Notes の保守契約が切れるタイミングでクラウド型の製品へのリプレイスを検討する。すでに米国現地法人が導入していた Google Apps for Work を含む 3 製品を比較検討した。その結果、コストパフォーマンスに優れた Google Apps for Work に決定する。
「 Google Apps は、機能比較や検証を行っている途中でも次々と新機能が追加される。このスピード感は凄い、と。常に最新の機能が安全かつ安価に使えるメリット、さらに Google ならではの豊富なコミュニケーションやコラボレーションの機能を活用すれば業務をもっとイノベーティブに遂行できる可能性を感じたのです」と安東氏は言う。2012 年 9 月、グローバル導入契約を締結し、海外現法や新規設立会社から順次導入を開始。グループ全体でドメインを fujifilm.com に統一し、2014 年 2 月からは本社でも導入が始まった。
この動きとは別に、2014 年 1 月、創業 80 周年を迎えた同社は、 “Value from Innovation” という新たなコーポレートスローガンを制定。さらなるイノベーション追求への号砲が鳴った。この流れを受けて、同年 10 月、 “Work Style Innovation” (WSI) プロジェクトがスタート。座間氏は次のように言う。
「少子高齢化が進む社会環境の変化の中で企業がイノベーションを起こし続けるには多様な社員が能力を発揮することです。そのために必要な働き方への改革に取り組もうとスタートしました」
[ どのように検討したか? ]
IT ツールで働き方改革の推進を
WSI プロジェクトが始まった時、安東氏は「導入した Google Apps for Work が、 “Work Style Innovation” の起爆剤になると感じた」と言う。
「ツールのリプレイスはチャンスであることに加え、Google Apps は Google ドライブのコラボレーション機能などいろいろなアプリケーションが使えます。これらを活用すれば、ワークスタイルはどんどん変えていけるのではないかと感じていました」
一方、座間氏は “Work Style Innovation” の推進に「IT ツールが有効」と思いつく。
「 “Work Style Innovation” の推進には意識や風土を新しくすることが必要です。その風土とは目に見える日常の行動が積み重なって形成されるもの。ならば、日常の行動を新しくしていく具体的なツールが必要だと思えたのです」
従来から同社の社員は、真面目に生産性向上に取り組んできている。「そんな社員たちに『生産性を上げよ』と伝えれば、『さらに生産性を上げるにはどう取り組めばいいのか?』という議論もでてくるでしょう。だからこそ、それを可能にする具体的なツールが必要と思ったのです」
そんな座間氏が安東氏に相談すると、安東氏は即座に「 Google Apps for Work が改革の軸になり得る」と応じた。
[ どんな効果があったか? ]
“Google Festa”で予想を上回る動員
様々な先行企業を事例研究しようと、WSI プロジェクトは Google のオフィスを見学。一同は、変革を進める上で仕事のスピードやコミュニケーションにおいて多くのヒントがあるという思いがしたという。例えば、一つの書類が完成するまで、何人かの関係者を経由し、最後に上長が承認を下すというワークフローを回していた。一人ひとりが責任もって確認し工程を回すのでより正確になるというメリットがあるが、パスが多くなり、時間がかかり過ぎるというデメリットも。これに対し、Google は Google ドライブ で関係者が同時に編集・確認作業を行っている。「今までの固定概念の枠が外れて、視野が広がる効用があった」と座間氏は力説する。
そして、WSI プロジェクトの若手メンバーは、Google Apps for Work の使い方の紹介や利用促進を通じて、“Work Style Innovation” を推進するキックオフイベントを“お祭り”形式で行うという“Google Festa” の開催を提案。
「 “Work Style Innovation” は一過性のものではなく、継続し続けることで実現していくものです。今後の社会環境の変化の中で企業にとっても、社員にとっても大切なことです。ならば、みんながもっと自主的に全社一丸となって取り組みたくなるような楽しいものにしようという発想です」(座間氏)
2015 年 3 月。Google の専門家による講演や、Google ハングアウト で海外拠点とビデオ会議を実演するなどのプログラムを用意し、予想を上回る人数を動員。アンケートには 90% 以上が「参考になった」と回答した。
その後、立て続けに複数回、地方の事業所で開催。フォローセミナーも行い定着を図っている。
「常にイノベーションを追究し続ける Google の製品として、Google Apps は更新され続けることを期待します。そうすれば、まさしく “Work Style Innovation” の継続とリンケージします。変革のために刺激を与え続けてくれる存在ととらえています」と座間氏は期待を寄せる。
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