Japan 公式ブログ
Google の企業向けソリューションに関する公式な情報やユーザーの事例などを、いち早く皆さんにお届けします。
Google Cloud によって推進するエンタープライズ モダナイゼーション
2019年7月31日水曜日
※この投稿は米国時間 2019 年 7 月 30 日に Google Cloud blog に
投稿
されたものの抄訳です。
今年 4 月にサンフランシスコで開催した
Google Cloud Next ’19
で、
私たちは Anthos を発表
しました。Anthos は、アプリケーションをどこでも簡単かつ柔軟、そして安全に実行できる Google Cloud の新しいオープン プラットフォームです。オープン スタンダードをサポートする Anthos を使用することで、アプリケーションに変更を加えることなく、既存のオンプレミス ハードウェアやパブリック クラウドで自由にアプリケーションを実行できます。
このプラットフォームの柔軟性をさらに高めるべく、私たちは本日、
Migrate for Anthos
のベータ提供を開始しました。Migrate for Anthos を使用すると、オンプレミスの VM や Compute Engine VM を Google Kubernetes Engine(GKE)のコンテナに直接変換できます。サポートする VM ソースの種類も増えており、Amazon EC2 や Microsoft Azure で動作する VM を GKE のコンテナに直接移行することも可能です。
今回のリリースにより、お客様はこれまでのコンテナ モダナイゼーションを進める際の戦略である複雑で手動のプロセスではなく、Migrate for Anthos を使って自動的に VM をモダナイズし、コンテナに移行できるようになりました。これまでモダナイゼーションは不可能と見切りをつけていた VM インフラストラクチャも含めて、投資済みの既存インフラストラクチャを簡単かつ柔軟にモダナイズできます。GKE のコンテナに移行すれば、さまざまなメリットと自動化による恩恵を享受することが可能です。たとえば、手動による OS のメンテナンスやパッチ適用が不要になります。
私たちにとって、日本のお客様と協力し、お客様の環境をデジタルな未来へ向けて進化させるお手伝いをすることは大きな喜びです。
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 第五営業本部長 工藤 晶子 氏は以下のように語っています。「エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社では、4 月にアジア太平洋地域のクラウド事業者として Anthos の検証評価に初参加し、その有効性を確認しております。この度、Anthos を利用した新たな取組みとして医療機関等と協力し、データ利活用によるリハビリテーションプログラムの品質向上を目指した実証実験を実施します。この実験では、弊社の企業向けクラウドサービス「Enterprise Cloud」にリハビリテーションの臨床データをセキュアに保管します。その後、閉域ネットワークにより物理的に分散させたプライベートクラウド基盤に Google Cloud が提供する Anthos の「GKE On-Prem」を利用してスケーラビリティの高いデータ分析機能を提供します。」
移行 / ネットワーキング ポートフォリオの拡充によるトランスフォーメーションの簡素化
企業はモダンなクラウド アーキテクチャの導入を進めています。お客様に最良のエクスペリエンスを提供するとともに、アジリティの向上や、市場投入期間の短縮による恩恵を享受するためです。
Google Cloud Platform
(GCP)は、こうした動きの中心に位置しています。多くの場合、お客様は最初にハイブリッドおよびマルチクラウド アーキテクチャから始め、そこからモダナイゼーションを進めていきます。
より多くのクラウドから GCP への移行
企業はオンプレミスから Google Cloud への VM の移行を活発に行っており、クラウド間でワークロードを移行したいと考える企業も増えています。そこで私たちは本日、
Migrate for Compute Engine
において、Microsoft Azure から Google Compute Engine への VM の直接移行のベータ サポートを開始しました。Migrate for Compute Engine は Amazon EC2 からの VM の移行をすでにサポートしており、今回のベータ リリースはこれを補完するものです。これにより、移行の目的がアジリティの向上か、コストの節約か、セキュリティの向上かに関わらず、Google Cloud へのリフト&シフトを迅速かつ簡単、そして経済的に行うことができます。
エンタープライズ対応サービス メッシュと最新のロード バランシング
企業がモノリス(一枚岩型の硬直的なシステムやアーキテクチャ)を解体し、サービスのモダナイゼーションに着手すると、サービスとトラフィックを一貫して大規模に管理できるソリューションが必要になります。こうしたサービスのデプロイと管理に必要なのはインフラストラクチャやネットワーキングですが、企業は、それらよりもアプリケーション構築やイノベーションのほうに多くの時間とリソースを投入したいと考えています。
サービス メッシュ
が急速に人気を伸ばしているのは、アプリケーション ネットワーキングからアプリケーションを切り離し、運用からもサービス開発を切り離すことで、そうした課題を解決できることが背景にあります。そこで私たちは、サービス メッシュのデプロイと運用を大幅に簡素化する 2 つのソリューションの提供を開始しました。オープン サービス メッシュ用の
Traffic Director
(一般提供)と、
Layer 7 Internal Load Balancer
(L7 ILB、ベータ提供)です。
Anthos
で提供されている Traffic Director は、スケーラブルで回復力の高いフルマネージドのサービス メッシュ用トラフィック コントロール プレーンです。オープン API を使用して、データ プレーン内の
Envoy
や類似のサービス プロキシに構成、ポリシー、情報を提供するため、お客様はロックインされません。もともと Lyft で開発された Envoy はオープンソースの高パフォーマンス プロキシです。アプリケーションと並行して動作し、一般的なプラットフォーム非依存のネットワーキング機能を提供することで、Traffic Director とともにアプリケーション ネットワーキングを抽象化します。Traffic Director は、グローバルな回復力、インテリジェントなロード バランシング、高度なトラフィック制御(トラフィック スプリッティング、フォールト インジェクション、サービスへのミラーリング)を実現します。Envoy として、独自の Envoy ビルドを持ち込むことも、
Tetrate.io から入手した公認の Envoy ビルド
を使用することも可能です。
株式会社メルカリのソフトウェア エンジニアである Vishal Banthia 氏は次のように述べています。「モノリシックなクローズドアーキテクチャからクラウドネイティブなアプリケーションへの変革において、サービスメッシュは不可欠な技術です。Traffic Director が、Google のグローバル インフラストラクチャとマルチクラウドサービス管理の強みを生かし、フルマネージド サービスメッシュとして、さらに活用が広がることを期待しています。」
クラウドネイティブおよびレガシー環境におけるロード バランシングやトラフィック管理の導入をさらに簡素化するため、私たちは新しいソリューションである
L7 ILB
のベータ提供を開始しました。L7 ILB のデプロイは、レガシー アプリケーションからサービス メッシュへの移行に向けた大きな第一歩となります。L7 ILB を使用することで、企業は最新のロード バランシングを簡単にデプロイできます。また、L7 ILB は Traffic Director と Envoy に支えられており、L7 ILB をレガシー アプリケーションの前に配置することで、高度なトラフィック管理を容易に実現できます。
L7 ILB と Traffic Director は導入後すぐに VM(Compute Engine)やコンテナ(
Google Kubernetes Engine
またはセルフマネージド)とスムーズに連携するので、お客様は独自のペースでサービスをモダナイズできます。
耐障害性の高い接続とハイブリッド環境
ネットワーキングはハイブリッド クラウドの基盤であり、信頼性の高い高速接続は、Cloud Interconnect のような高パフォーマンスのオプションでも、より低い帯域幅のニーズに応える Cloud VPN のようなオプションでも、極めて重要です。ミッションクリティカルな要件に対応するため、私たちは近いうちに
High Availability VPN
と
100 Gbps Dedicated Interconnect
の一般提供を開始します。これらのサービスは、業界をリードする SLA を備えた耐障害性の高い接続を提供することで、マルチクラウド サービスのデプロイと管理をサポートします。
こうした新機能の活用方法について、ぜひご意見をお聞かせください。Google Cloud による移行とモダナイゼーションの詳細は、
Anthos
と
Migrate for Anthos
のページをご覧ください。Anthos をお試しになりたい方は、
こちら
からお申し込みいただけます。Migrate for Anthos など、Google Cloud の
ネットワーキング
と
移行ソリューション
についてもっと知りたい方は、こちらのGoogle Cloud Blog
記事
(英語のみ) をご覧ください。
- By Eyal Manor, VP of Engineering and Brad Calder, VP Engineering
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