[この記事は Chris Shirer, President and Chief Strategist of Madison + Fifth による Official Google for Work Blog の記事 "Madison + Fifth builds interactive mall experiences for kiosks and mobile using Google Maps APIs" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

編集者注: Madison + Fifth は Google Maps for Work パートナーの Woolpert(英語)とともに、Google Maps APIs を活用して、60 エーカー(約 24 ヘクタール、東京ドーム 5 個分)の広大な敷地に広がる複合商業施設 Liberty Center のためにキオスク端末とモバイル アプリを構築しました。今回、デジタル ブランド マネージメント サービスを提供する Madison + Fifth(英語)の社長兼最高戦略責任者の Chris Shirer 氏にこのアプリ構築の背景についてお話を伺いました。

米国オハイオ州の都市、シンシナティ郊外にある商業施設 Liberty Center(英語)から、利用客のために直感的で利用しやすい道案内サービスを提供したいという依頼を受けました。この時、私たちはよくあるキオスク端末や施設案内図とは違った、何かユニークなものを創造するチャンスだと思いました。Liberty Center は、ショッピング街、レストラン、ホテル、オフィス、高級住宅などからなる複合施設です。私たちは、訪れる人々が施設内を素早く移動できるようにしたい、特に、ホリデーショッピングのシーズンのような大勢の人でにぎわう時期でもスムーズに移動できるようにしたいと考えました。そこで、タッチスクリーン式のキオスク端末とモバイル端末上で動作するソリューションを構築し、利用客の位置を検知してインタラクティブな道案内をリアルタイムで提供することにしました。

私たちが選んだのは Google マップと Google Maps APIs です。Google のインターフェースは顧客にとって親しみやすく、地図上にカスタム情報をレイヤー表示できます。さらに、利用客に合わせた位置ベースの広告配信などの新しい機能を追加できるプラットフォームでもあります。こうした理由から採用を決めました。ソリューションの構築は、Google Maps for Work パートナーの Woolpert との緊密な連携により実現しました。Woolpert はライセンス情報に関する支援だけでなく、当社の設計や要件に基づいた実装にも対応してくれました。

案内表示は、タッチスクリーン式のキオスク端末と、iOS および Android 端末の両方で動作するようにしたかったため、Google Maps JavaScript API を使ったウェブ アプリとして開発しました。アプリは、キオスク端末の大画面およびスマートフォンの小さな画面のそれぞれのサイズに合わせて自動的に拡大・縮小します。ウェブ アプリとしたことで、複数の端末毎にアプリを構築し保守する必要がなくなり、また、サービスの利用に際してスマートフォンで何かをダウンロードするよう利用者に求めることもありません。



 アプリの開発は、Liberty Center の完成前でまだ一般公開されていない時期に着手したので、Google には施設内の道路や店舗に関する正確な情報がまだない状態でした。このため、必要情報を持つレイヤーを地図上に構築するという形で対処しました。また、ルート情報も存在しなかったため、オープンソースの Google Optimization Tools(英語)を活用し、道案内用のアルゴリズムを開発しました。

Liberty Center は 2015 年 10 月 22 日にオープンしました。Google マップのお陰で、利用客に喜んでもらえるインタラクティブなサービスを提供しています。利用客はキオスク端末(動画)や自分のスマートフォン上のウェブ アプリを使って、現在地に基づくカスタマイズされた道案内を受けることができます。また、ズームイン・ズームアウト操作で、施設内の店舗やさまざまな場所を探索することもできます。利用客にとっては、施設内の移動時間を短縮することにもつながるため、その分、店やレストランでより多くの時間を過ごせるようになりました。