[この記事は BigChange Apps 社の CEO、Martin Port 氏による Google for Work Official Blog の記事 "BigChange Apps improves mobile workforce productivity using Google Maps APIs" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

BigChange Apps の取り組みはモバイルワーカーの生産性や業務効率を高め、顧客企業の収益改善に貢献しています。その取り組みに Google Maps API がどういう形で関わっているのでしょうか。

自社の車や従業員の居所を追跡しなくてはならない企業は、社外で働く人員の管理に手間をかけすぎて、時間もお金も燃料も、たいへん無駄なことをしているケースがよくあります。時代遅れのテクノロジーや人手に頼った報告業務、そして紙ベースのシステムを利用しているからでしょう。BigChange Apps は、こうした現状を打破するためにモバイルワーカーの管理用プラットフォーム「JobWatch」を構築しました。JobWatch は、バックオフィスで使用するアプリケーション、車両追跡システム、そしてドライバー用モバイルアプリの 3 つを統合したものです。JobWatch は、企業のバックオフィスの作業と、社外で働いている従業員とを直に結びつけます。その一方で、顧客からの予約を受け付けたり、到着予定時間や今ある仕事の進捗をチェックしたり、履歴情報や請求書などの文書の閲覧もできます。企業は JobWatch で業務を管理し、JobWatch 上で直接、かつリアルタイムでレポートを作成することができます。これによって従業員の生産性が高まるほか、人手を要する作業(プロジェクトの見積もりを紙で用意するなどの作業)を省くことができるのです。

地図は BigChange Apps 社の業務にとって中心的な存在です。ドライバー向けのモバイルアプリも、配車担当者その他のスタッフが使うバックオフィス用のウェブアプリも、地図があってこそ成り立つものです。当初は、Google Maps でない他のマッピングソリューションを利用していましたが、新たな機能の追加によって現状に合わなくなってきました。価格設定があまりに複雑になり、自分たちの求めるものが実現できなかったのです。そこで Google に切り替えました。Google Maps API という素晴らしいツールを使えるようになり、また、このツールを JobWatch の改善にどう使っていけばいいかというアドバイスも得られました。また、Google Maps は地図アプリとして標準的なものと認識されているので、顧客に JobWatch の使い方を覚えてもらうためにわざわざ時間をかける必要もありません。


バックオフィス用のウェブアプリでは、地図のタブに Google Maps JavaScript API を利用しています。顧客はリアルタイムで車両を追跡できますが、それはこのAPIのおかげです。配車担当者は会社のリソースがどこにあるかを視覚的に把握できます。現場で何か問題が起きれば、近くにいる者と連絡をとって、応援に駆けつけてもらえるわけです。

ドライバー用のモバイルアプリについていうと、iOS モバイルアプリでは Google Maps SDK for iOS を、Android アプリでは Google Maps Android API を使っています。


BigChange Apps 社は Google Maps Distance Matrix APIGoogle Maps Directions API、そして移動時間を予測する機能の大ファンでもあります。BigChange Apps 社の配車担当者がドライバーを手配する際、これらの機能はたいへん重宝しています。顧客から「ドライバーはいつ来るのか」と聞かれれば、即座に正確な時間をお伝えすることができます。

Google Maps API の素晴らしいところは他にもあります。たとえば、顧客管理(CRM)ソフトウェアなどの他のシステムとのインテグレーションが非常にうまくいく点です。一例を挙げましょう。あるウィジェットでは、連絡先をインポートして、それを Google Maps Geocoding API を介して受け渡せるようになっています。この API は住所情報を地理的座標に変換し、より正確な情報を地図上に表すことができます。

JobWatch の導入は顧客に対しても節約というメリットをもたらします。最近の 2 件の顧客ケーススタディでは、
  • 燃料使用量を 10% 削減
  • モバイルワーカー 1 人あたり 1 か月間の移動時間を 10 時間短縮
  • ドライバー 1 人あたり 1 か月間あたり 4 件の仕事増
  • モバイルワーカーの業務管理時間が 1 人あたり 8 時間短縮できた
といったことが報告されています。お客様にご満足いただけることは当社の成長に直結します。2013 年、33 万 7,000 ポンドだった当社の収益は、2015 年には 200 万ポンドに伸びました。2020 年までに、400 万ポンドの経常収益を達成する見込みです。ドライバーとバックオフィスとを結びつける、単一のプラットフォームを構築することができたのは、Google Maps のおかげであり、大変感謝しています。