5 つほどのクラウド型グループウェア製品の、セキュリティ性やアプリケーションの機能性、価格などについて比較検討。それらにおいて最も優位で、かつ唯一多言語対応の G Suite が選定された。2009 年の当時最重視されたのは、クラウド型を採用するにあたってのセキュリティ性。「ポータブルで使えるのはいいとしても、社内文書を添付したメールが社外の環境で見られてしまうなどの事態が起きてはいけません。その点、G Suite はシングルサインオンによるアクセス制御で社内環境からでしか閲覧できない設定が可能でした。これが大きかったですね」
また、以前から個人的に Gmail を使用していた吹上氏は「諸機能の便利さを実感していたことも大きかった」と言う。一方、多言語対応については、「グローバルに使われているマイクロソフト製品にも当然期待したが、そうではなかったようだ」と指摘する。
G Suite 導入後、多言語に対応できるようになったことで、外国人スタッフからの操作の問い合わせは殆どなくなりました。Googleドライブ はスタッフ用のマニュアルや調理手順書をアップするなどして活用を予定。これら社外秘のドキュメントはダウンロード制限をかけて社外流出を防ぐ。また、スプレッドシートと Apps Script を活用し、内部統制のために必要な ID・パスワードの変更管理業務を効率化。「ASP の受発注システムを用いて店舗ごとに食材の発注をかけていますが、各店舗の ID・パスワードを年 2 回変更しなければなりません。従来は手渡ししていましたが、スプレッドシートと Apps Script で関係者 150 名のアドレスに自動的に通知する仕組みをつくりました。劇的に楽になりましたね」
そして同社は 2015 年 12 月、約 1600 名のアルバイトスタッフ全員にもアカウントを発行し、BYOD に舵を切る。スマートフォン所持率が 98% と極めて高いことが背景にある「社内報サイトで『料理コンテスト○月開催結果』といった情報更新が行われるごとに、そのリンク情報をハングアウトのメッセージで全員にプッシュ通知しています。メールのように見に行かなくても画面にポップアップされるので、自然に目に触れさせることができます。これで伝達率を高めるねらいがあります」と吹上氏は言う。従来は電話もよく使われていたが、電話では「聞いた・聞いていない」といった問題や、繋がらなかった際の再架電の手間が生じる。エビデンスが残るメッセージならそうした心配はない。セキュリティに関しては、シャドー IT 対策として、ドメイン内でのみ使えるようにし、社外への発信ができないように制限をかけてクリアしている。
そのほか、各店舗を査察するチームが、スマートフォンで現場の状況について声でレポートしながら撮影した動画を Google+ にアップし共有するなどの活用法を検討している。
「従来は写真に文書を添えて提出していましたが、動画 1 つだけアップすればいいのでかなり効率化できると考えています」アルバイト全員へのアカウント発行というケースはそうそうない。流動性も高く多様化が進むレストラン産業であるが、アルバイトを含む形での G Suite の利用は先進的といえる。
株式会社グローバルダイニングの導入事例 PDF はこちらをご覧ください。
G Suite のその他の導入事例はこちらをご覧ください。
0 件のコメント :
コメントを投稿